制限事項:架線

日本のNゲージでは架線から集電する構造をとっていないため、架線に関する規格はありません。実際の鉄道では、架線の標準的な設置基準があり、路線区間の規格によって架線の位置も決まっています。実際の鉄道では、パンタグラフはバネにより架線に押しつける構造になっています。架線の多少の高低差もパンタグラフのバネ構造により追従可能です。

Nゲージでは、次の2点が制約になります。

  • 架線の高さについての規格がない
  • パンタグラフのバネ構造の違い

鉄道模型シミュレーターは、Nゲージの構造を可能な限り再現するため、架線柱については各メーカーより発売されている各架線柱の形状を忠実に再現しています。この仕様により、次のような制限事項があります。

  • 架線の種類によって架線位置に大きな違いが生じる
  • 架線とパンタグラフが接触しない

この他、カーブ区間では、架線が内側にいきすぎる傾向があります。鉄道模型は、限られた空間で線路を敷設するため、カーブ半径が実際の鉄道より大幅に小さく、直線で構成される架線は、大きく円の中心方向にまわりこみます。

※カーブ区間で架線柱を多数設置することで、架線をこまかく制御できますが、架線柱が多くなるなどの弊害が生じます。ある程度割り切って配置してください。

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制限事項:線路規格の数値制限

ポイントを使用して分岐を作る際、複線間隔が実際の規格値と0.5mm以下の誤差が生じます。

異なる半径のポイントを混在させた場合、複線間隔の微少誤差が蓄積して大きな違いとなる場合があります。線路の結合条件は数ミリの誤差でも接続できると判定していますので走行には支障はありませんが、見た目に隙間が生じる可能性があります。

回転演算は、計算上の誤差が蓄積されやすい性質があります。たとえば、同一半径のカーブレールをつないで円にする場合、最後の接続にわずかな誤差が生じることがあります。動作には問題ありません。(フレキシブルレールやバリアブルレールを調整用に組み込むという方法もあります。)

カーブポイントは、2つの幾何学的な条件の中間の形状で製作されています。構造上、線路の接続に必ずずれが発生します。

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制限事項:模型との違いについて

コンピューターですべてを数値演算で処理する「シミュレーター」は、物質で構成されるリアルワールドと大きく異なります。鉄道模型シミュレーターと実際の模型とでは、構造上の大きな違いが多数あります。特にレイアウト設計に使用される際は、構造の違いを十分に考慮に入れてください。

  • 模型は、「物質」としての固さがあります。鉄道模型シミュレーターは、すべてを「数値」で表現する仮想的な世界です。「物質」としての固さはありません。
  • 車輌の連結間隔は、実車の雰囲気を再現する方向で設定しています。しかし、Nゲージは実際の鉄道と比べると極端に急なカーブ区間を列車が通過します。このため、Nゲージの連結部分は「あらかじめ広めにとる」か「伸縮式」の2種類の対策が行われています。鉄道模型シミュレーターは、連結間隔が固定のため急なカーブ区間では、車輌が重なります。回避するためにはなるべく大半径のカーブレールを使用してください。
  • 模型では、2本のレールに電気を通電する仕様となっています。ポイントからわかれていったレールがふたたびポイントにもどってくるようなリバース構造は、プラスマイナスが逆になるためギャップとよばれる非通電区間を設定します。鉄道模型シミュレーターは、通電状態と関係なく動作するため、リバース構造にギャップは必要ありませが実際のレイアウト設計に使用される場合は、通電区間のプラスマイナスを十分考慮に入れてください。リバース区間は必ず走行列車の全長より長く設計してください。
  • 鉄道模型シミュレーターの勾配区間は、計算によって運行されます。このとき、傾斜角度、重力の影響は無視されます。また、ある程度無理な設定がされている区間も強力な計算機構によって運行されます。
  • 解放ランプは、機能しません。ダミーモデルです。(模型は特殊なカプラー(連結器)と磁石が組み込まれた解放ランプレールにより編成分割が可能です。)同様な機能は、スクリプトで実現可能です。
  • TOMIXカーブポイントは、模型と同じ寸法仕様で制作されています。カーブポイントは、「レール接続部分の誤差」を利用して「カーブ区間の渡り線」と「カーブ区間から複線分岐」の2つの幾何学的な矛盾をジョイント部分に余裕を持たせた設計で回避しています。鉄道模型シミュレーターは内部計算をある程度厳密に行うため「レール接続部分の誤差」の取り扱いが厳しくなっているため、カーブポイントは特殊な敷設方法が必要です。
  • VRMは、ジョイントにあわせて橋脚を配置するという制約があります。実際の模型製品とは橋脚を設置できる箇所に違いがあります。模型製品と同様な配置をする場合は、ジョイント部分に透明橋脚を配置してから、それ以外の橋脚を模型製品にあわせて配置してください。
  • 一部の線路は、VRMの構造上の制約から水平に配置する必要があります。
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制限事項

制限事項は、実際のNゲージと鉄道模型シミュレーターの仕様上の違い、鉄道模型と実際の鉄道との構造の違いなどが原因で発生します。

制限事項とは…

鉄道模型シミュレーターのような巨大なアプリケーションは、構造が複雑なためすべての仕様を完全に決定した状態で製作されていません。制限事項と呼ばれる将来改良、改善を予定している暫定的な仕様を含んでいます。また、これらには物理法則の実装方法の違いが原因となる仕様の相違などを含んでいます。制限事項は、機能上の制約ではありますが「障害」などの動作の問題ではありません。

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鉄道関連の情報源

「説得力のあるリアルなシーンを作りたい」「編成、形式を調べたい」「鉄道の専門用語が知りたい」など、鉄道関連の情報を調べるときは、様々な情報源にあたってみるとよいでしょう。

Webで調べる

鉄道を題材にしたホームページは、膨大な数が運営されています。鉄道写真、旅行記、形式解説、路線案内、駅案内などそのテーマも多岐にわたります。調べたいことがらをヤフーなどで検索してから、各ホームページをまわるようにします。

鉄道雑誌

毎月20日ごろに各鉄道雑誌が書店に並びます。鉄道雑誌は、各雑誌ごとに方向性が異なります。鉄道総合誌としては「鉄道ファン」、「Rail Magazine」などがあります。この他に専門性の高い雑誌などがあります。

鉄道関連書籍

レイアウトに説得力をもたせたい場合は、実際の鉄道シーンを研究するだけでなく、その基盤となる鉄道工学に目を向けるようにします。グランプリ出版刊「鉄道工学ハンドブック」は、比較的入手しやすい本です。また、同社からは専門用語の辞典も発行されています。より専門的な知識が必要な場合は、日本の鉄道技術の総本山、鉄道総研が編纂した書籍が丸善より発行されています。
この他、模型車両製作に役立つ形式図面集や編成表など各分野の専門書籍が各社から発行されています。こうした専門書籍は、専門書専門の書店、大型書店などで入手可能です。

工場、車両基地一般公開

各鉄道会社では車両工場、基地の一般公開を行っています。普段目にすることのできない車両の裏側など模型ファンにとっても貴重な情報が、その場で得ることができます。一般公開の日程などの情報は、公開場所の所属する組織の駅などに掲示されますので確認してから足を運んでください。

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