シャドウマップ

現在のゲーム技術でホットな話題の1つであるシャドウ。様々な「影」の表現手法が研究、開発されています。

最近は、単にシャドウを表現するだけでなく、ソフトな輪郭をもったシャドウ=ソフトシャドウを実用的なレベルで実現するかに研究の重点が移ってきています。光学的にソフトシャドウをリアルタイム計算することは無理なため、いかにそれらしく見え、実用的な速度で処理できるかが研究のテーマです。
ここ最近のはやりは、VSMです。VSMは、ライトからの深度と深度の二乗に対して、それぞれブラーをかけ、確率論的に影の輪郭を検出します。ただし、VSMをはじめ、現在までに提唱されているソフトシャドウは、いずれもなんらかの欠点をもっています。

VRM ONLINEでは、処理速度を重視しつつ、新しいソフトシャドウ表現を開発しています。

VRMのように複雑な形状を持っている場合、シャドウマップ特有の欠点が強く表れます。シャドウマップは、ライトからの深度を基準に影ができるかを判断します。このとき、ライトと並行に近いポリゴンは、ライトベクトルとの差が小さくなるため、深度が不正確になります。ちょうど、Zバッファの干渉と同じような現象が発生します。

ソフトシャドウOFF

写真は、VRM ONLINEのソフトシャドウを無効にした場合の結果です。車体の曲面が、ライトベクトルに近いため、不自然な影になっています。(多くのゲームでは、影の輪郭にのこぎりのようなエッジノイズが発生します。)

ソフトシャドウON

ソフトシャドウをONにすると、不自然な影を大幅に押さえ込むことができます。新開発のソフトシャドウは、確率論的な方法ではなくライトベクトルを計算に組み込むことで実現しています。