バージョン4.0.9.0の技術概要

第9号のシステムは、バージョン4.0.9.0になります。今回のメインは、カント付きレールです。2年近くかけて準備してきたカント付きレール対応の最後の仕上げを行っています。
表面的には、カント付きレールを列車が傾斜しながら通過するだけですが、内部では、姿勢制御、台車制御、カメラの制御など多岐にわたるコード変更を行っています。

台車の制御は、バージョン4.0.8.0の振り子対応時に、それまでの経路データではなく、見かけ上の位置情報を算出して使用していました。経路データは直線で構成されるため、そのままでは振り子がガクガクになってしまうためです。
バージョン4.0.9.0では、経路データから多少複雑ですが微分値を算出するように変更。従来よりリアルな挙動が得られます。

カント付きレール対応の影響は、カメラシステムにも及んでいます。
カメラのモードごとの演算を独立化、地上カメラの画面切り換えや制御対象の切り換えなどシステムの変更により、全体的な操作性が向上しています。また、演算のもとになるデータが増えたことにより、カメラの車体への追従性が大きく向上しています。カメラ演算の独立化は、今後実装を予定している特殊なカメラモードへの準備も兼ねています。

この他に編成エディターの改良など細かい改良を多数行っています。

開発室では、マイナーバージョンアップのバージョン4.0.9.1の試験を開始しています。GeForce 9×00シリーズでGDI+の動作に問題が生じているため、これを回避するコードを試験中です。
この回避コードは、一部を低レベルですが高速なGDIに置き換えます。このため、GeForce 9×00シリーズ以外でもレイアウターの表示速度が若干向上します。
バージョン4.0.9.1は、次回アップデータに含む予定です。