リアルタイム3DCGは、「ポリゴン」とよばれる表示方法を使用します。ポリゴンは、すべて計算によって表示されています。この計算は、ポリゴンの個数が増えると爆発的に処理時間がかかるようになります。このため、計算時間を少しでも減らすためにポリゴンは、様々な技術によって処理されます。鉄道模型シミュレーターは、ポリゴンの性質、制約、制限の影響を直接受けます。このページでは、ポリゴン固有の性質について記載しています。
1.部品が増えると遅くなります。
ビュワーに表示されるあらゆるパーツは、3角形のポリゴンの集合体で構成されています。レイアウトに配置した部品の個数が増えると1つのシーンに表示するポリゴンが増え、表示に要する計算が増えます。ポリゴンの個数が倍に増えると必要な計算も倍になり、2倍の時間がかかります。レイアウトの見所をあらかじめ決めて、必要な範囲だけ作り込むようにして、不要な部品配置を減らすことでポリゴンの増加を抑えてください。
2.裏面は表示されません
ポリゴンで構成された物体は、裏面を表示しません。たとえば、車内にカメラを移動すると車体などは表示されなくなります。
3.Zバッファ干渉
ポリゴンは、カメラ(=視点)からどれだけ遠くにあるのかを判断して表示しています。2枚のポリゴンが接近しすぎると、同時に表示しようとして競合が発生し、チラツキが生じます。これがZバッファ干渉です。チラツキを避けるためには、2つのポリゴンの距離を十分に離す必要があります。
4.遠方は表示しません
カメラからある程度遠いポリゴンは表示されません。表示対象を限定することで計算するポリゴンの個数を減らし、現実的な表示速度を得るためです。
5.ポリゴンは交差できます
実際に物体があるわけではなく、座標と辺で構成された数字の上での存在のためポリゴン物体は重ねたり、交差させたりできます。たとえば、線路を交差させても動作に支障はありません。簡単なクロッシングレールは、この方法でつくることができます。
6.ポリゴン総数の節約
車両、ストラクチャーは、表示速度を維持するためにポリゴンの総数を制限して設計しています。一般的なポリゴン技術では、見えない部分を作らず、ポリゴンの総数を減らします。車両の車内は、ポリゴン数を削減する目的で多くの場合、省略しています。
7.運転台
運転ゲームと鉄道模型シミュレーターオンラインの決定的な違いは、運転台にあらわれています。鉄道模型シミュレーターは、車両を可能な限り正確に再現するために車体に大量のポリゴンを割り振り、運転台まわりも車体の一部として設計しています。一般に運転ゲームでは、車体は共通化もしくは適当に製作して、運転台まわりにポリゴンを割り振ります。また、運転台を一枚の絵として作成する場合があります。結果、運転台から別の視点への移動が制限されたり、車体が省略されるなどの弊害があります。
8.半透明は遅くなります
半透明は描かれた結果と合成する必要があるため、同時実行ができず描画効率が大幅に低下します。パーティクルなどで広い面積に対して、多重の半透明がかかる場合は、表示速度が大幅に低下するためなるべく避けてください。