曲線区間で外側にかかる超過遠心力を打ち消すために実際の線路では、外側のレールを内側より高くして列車を円の内側に傾斜させます。このレールの高低差をカントと呼びます。実物のカントは、在来線で105mm、新幹線で180mm以下になるように設定されています。VRMでは、0.6mmのカントを設定しています。
カント付きレールの種類
カント付きレールは、カント区間とその前後に配置する3種類の線路を用意しています。部品名には、カントを角度で表記しています。線路の回転原点側とその反対側の角度でカントの状態をあらわします。
カント区間の線路:両端ともにカントが付いている
CIR257-45(カント4度-4度)
カントに入る線路:通常の線路からカントにつなぐ
CIR257-45(カント0度-4度)
カントから出る線路:カントから通常の線路につなぐ
CIR257-45(カント4度-0度)
通常の線路→CIR257-45(カント0度-4度)→CIR257-45(カント4度-4度)→CIR257-45(カント4度-0度)→通常の線路というような接続になります。
カント角度
カーブ半径にかかわらずすべてのカーブで約4度のカントを設定しています。実際の線路では、状況によりカントの値はかわりますが、カントを統一することで異なる半径のカーブレールを組み合わせて、緩和曲線などよりリアルな線形を構成できる利点があります。
S字カーブを構成する場合
カントは、外側のレールが高く設定されています。S字カーブを構成する場合は、カーブとカーブの間をカントなしの状態で接続してください。カントをつけたままで接続すると、逆向きの段差が生じます。
車輪についての仕様
カント付きレールは、外側のレールがわずかに高くなっています。計算上は、勾配ではなく水平扱いになるため、カント付きレールの走行位置によっては車輪と線路の間にわずかな隙間が生じる場合があります。これは仕様になります。